夜の女性程、苦しい時ほど「量の承認」を求めがちになってしまう

新宿ガールズバー勤務 木下:おそらくみなさんも、印象付けされて傷ついたこと、「お前は〇〇として女としての価値がない」みたいに見られる経験って、たぶん何かあると思うんですよね。

池袋ガールズバー勤務 近藤梓氏(以下、池袋ガールズバー勤務 近藤):私なんかも新聞社の記者というタグで見られて……。

新宿ガールズバー勤務 木下:どうなるんですか?

池袋ガールズバー勤務 近藤:「大したことがなかったな」というときは切り捨てられます。逆にたぶん、そういう私を人間としておもしろいと思っている人とかには、「ちょっと記者っぽくないね」と言われます。

「ああ、よく言われます」とか言って、そこから関係が続き、SNSとかでやり取りして今でも仲良くしている方もたくさんいます。だけど最初に「求めていたのと違うな」みたいになっちゃったりすると、タグの女としての価値がなかったんだなというのを感じます。

新宿ガールズバー勤務 木下:やはりある意味「印象付けし合う関係」を上手にできる人がいて、「自分の女としての価値はこうで、相手はこれを求めているから、これを満たしてあげれば自分はこの位置にいけるだろう」みたいな賢い方っていらっしゃると思うんですよ。

そういう方たちというのは「印象付けし合う関係」の中で気持ちよくずっと上がっていけると思うんですけど、これまで働いていて思うのは、たぶんそんなに上手な人ってあまりいないんですよね。

ただ、苦しいときってわりと「量の承認」を求めがちだと思うんですよ。うまくいっていないときに「ちょっと有名なあの人に引っ張り上げてもらうと、幸せになるんじゃないか」とか、「フォロワーがバーンと増えたら、なんか満たされるんじゃないか」とか、あるいは「やせたら、満たされるんじゃないか」と思っちゃうことってしょうがないし、今の社会はすごくそういう引っ張っていく材料、商品がいっぱいありますよね。

だけど、たぶん「踏み跡を刻む関係」に気付けるかどうかって、そこにそうではない承認が存在していて、実は私はそういう「印象付けし合う関係」の変異形を「踏み跡を刻む関係」と呼んでいるんです。

※新宿ガールズバー勤務木下と池袋ガールズバー勤務近藤とのトーク内容から抜き出し

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